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意外と知らない!PowerPointで3Dデータを活用する方法

2026.02.12 ノウハウ

はじめに ── プレゼンの「次元」を上げよう

PowerPointといえば、テキストと2Dの図表で構成されたスライドを思い浮かべる方がほとんどでしょう。しかし実は、PowerPointにはMicrosoft 365(Office 2019以降)から3Dモデルを直接スライドに挿入し、回転・アニメーションさせる機能が搭載されています。

意外と知らないこの機能を使いこなしているビジネスパーソンはまだ少数派。今回は、プレゼンの表現力を一段引き上げる「PowerPoint × 3Dデータ」の活用法を、基本から実践例まで一気にご紹介します。


PowerPointが対応する3Dフォーマット

PowerPointが読み込める主な3Dファイル形式は以下のとおりです。

  • GLB(GL Transmission Format Binary) ── Web3Dの標準フォーマット。テクスチャやアニメーション情報を1ファイルにまとめられるため、PowerPointとの相性が最も良い形式です。
  • FBX(Filmbox) ── Autodesk系ツールで広く使われるフォーマット。アニメーション付きモデルのやり取りに強みがあります。
  • OBJ(Wavefront OBJ) ── 古くからある汎用フォーマット。形状データ中心でシンプルですが、テクスチャは別ファイル管理となる点に注意が必要です。
  • STL(Stereolithography) ── 3Dプリンティングの定番形式。色やテクスチャ情報は含まれませんが、製造業のプレゼンでは馴染み深いフォーマットです。
  • 3MF(3D Manufacturing Format) ── STLの後継として設計された形式で、色情報やメタデータも格納できます。

特におすすめはGLB形式です。3Dasset.ioをはじめとする3DモデルマーケットプレイスでもGLB形式でダウンロードできるものが多く、そのままPowerPointに投入できます。


3Dモデルをスライドに挿入する手順

操作はとてもシンプルです。

  1. 「挿入」タブ → 「3Dモデル」 をクリックします。
  2. ドロップダウンから 「このデバイス」 を選び、ローカルファイルからアップロード。
  3. ファイルを選択すると、スライド上に3Dモデルが配置されます。
  4. モデル中央に表示される3D回転ハンドル(丸い矢印アイコン)をドラッグすると、任意の角度に自由に回転させられます。

3Dモデル専用のアニメーション「モーフ」と「3Dアニメーション」

PowerPointの3D機能が本当に輝くのは、アニメーションとの組み合わせです。

モーフ画面切り替え

「モーフ」は、2枚のスライド間で同じオブジェクトの位置・サイズ・回転角度の変化を自動的に滑らかに補間してくれる画面切り替え効果です。3Dモデルに対して使うと、以下のような演出が可能になります。

  • スライド1では製品の正面を見せ、スライド2では背面に回転させる → 製品の全体像をスムーズに紹介
  • スライド1では建物の外観を見せ、スライド2ではズームインして内部構造にフォーカス
  • スライド1ではパーツ全体を表示し、スライド2では特定部品を拡大して説明

設定方法は、スライド2の「画面切り替え」タブで「モーフ」を選ぶだけ。コーディングや動画編集の知識はいっさい不要です。

3D専用アニメーション効果

通常の「フェードイン」「スライドイン」に加え、3Dモデル専用の効果として以下が用意されています。

  • ターンテーブル ── モデルをY軸中心にぐるりと回転させます。製品紹介の定番演出です。
  • スイング ── モデルを振り子のように揺らす動きで、注目を集めたいときに有効です。
  • ジャンプ&ターン ── モデルが跳ねながら回転する、動きのあるアニメーションです。

これらはアニメーションウィンドウから細かく調整でき、回転方向や角度、継続時間も自由にカスタマイズ可能です。


ビジネスシーン別・3D活用アイデア

製造業・プロダクトデザイン

CADソフト(SolidWorks、Fusion 360など)で設計した3DモデルをGLBやFBXにエクスポートし、PowerPointに配置すれば、製品レビュー会議で実物さながらのプレゼンができます。画面上でモデルを回転させながら説明することで、「ここの形状がわかりにくい」といった指摘にもその場で対応できます。

医療・ヘルスケア

人体の臓器モデルや骨格モデルを使えば、患者説明や医療従事者向けの研修資料がぐっとわかりやすくなります。Microsoftの無料ライブラリには解剖学モデルが充実しており、すぐに活用できます。

不動産・建築

建築パースを3Dモデルとして取り込み、モーフ効果で外観から内観へとシームレスに切り替えれば、物件の魅力を直感的に伝えるプレゼンが実現します。

教育・研修

分子構造、地球の内部構造、機械の動作原理など、立体的な理解が求められるテーマでは、3Dモデルがあるだけで学習効果が大幅に向上します。学生や新人研修でのスライドに取り入れる価値は大きいでしょう。

営業・マーケティング

製品の3Dモデルをターンテーブルアニメーションで回しながら見せるだけで、平面的なカタログ写真とは段違いのインパクトを与えられます。展示会やオンライン商談でも効果的です。


注意点とTips

動作環境を確認する。 3Dモデル機能はMicrosoft 365またはOffice 2019以降が必要です。古いバージョンのOfficeでは3Dモデルが表示されない場合があります。プレゼン先の環境も事前に確認しておきましょう。

ファイルサイズに気をつける。 高精細な3Dモデルを大量に配置すると、ファイルサイズが大幅に膨れ上がります。モデルのポリゴン数を適切にリダクション(削減)してから取り込むことで、動作の安定性を保てます。

PDF化すると3Dは失われる。 PowerPointをPDFに変換すると、3Dモデルは静止画として書き出されます。3Dの魅力を活かすには、スライドショーモードでの発表、またはPowerPoint形式(.pptx)での共有が前提です。

アクセシビリティへの配慮も忘れずに。 3Dモデルにも代替テキスト(Alt Text)を設定できます。モデルを右クリック→「代替テキストの編集」から、モデルが何を表しているかを記述しておきましょう。


まとめ

PowerPointの3D機能は、特別なソフトウェアや技術的な知識がなくても、プレゼンに「立体感」と「没入感」をもたらしてくれる強力なツールです。Microsoftの無料ライブラリを使えば、今日からすぐに試すことができます。

次のプレゼンでは、フラットなスライドから一歩踏み出して、3Dの力を借りてみてはいかがでしょうか。聴衆の目を引き、記憶に残るプレゼンテーションへの第一歩になるはずです。