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Bespokeshoesブランド「When(ウェン)」のコンセプト映像を制作・発表
Bespokeshoesブランド「When(ウェン)」とのコラボレーションにより、同ブランド小林氏の10年以上前の卒業制作コンセプトを起点としたコンセプチュアル映像を制作したことをお知らせいたします。本作は、実在するビスポークシューズを3Dスキャンしデータ化、未来の靴のイメージを光の軌跡として重ねた1本の短い映像として構成されています。
■ 背景——10年以上前の卒業制作から始まったプロジェクト
本プロジェクトは、「When」の小林氏と初めてお会いしたときの一つのエピソードにあります。小林氏は10年以上前、学校の卒業制作において「人類が電脳化された2045年、人はどんな靴を履くのか」という、当時としてはかなり尖ったコンセプトを発表していたと伺いました。

身体の境界が揺らぐ時代に、手で仕立てる靴は何を意味するのか。電脳化という極端な仮定を通して、「靴」という存在そのものを問い直そうとしたその視点は、10年という時間を経た今だからこそ改めて価値を持ちます。AIや3D技術、ウェアラブル、バーチャル空間の普及によって、”身につけるもの”の定義が変わりつつある今、「2045年の靴」を考えることは決してSFではありません。
当社はこのコンセプトに強く共鳴し、「今だからこそもう一度、最新テックで形にしてみよう」と小林氏に提案、本コンセプチュアル映像制作プロジェクトが正式にスタートしました。
■ 素材——2017年製のシングルモンクと、形を留めない”未来の靴”
映像制作にあたっては、小林氏が靴職人としてのキャリアの途上、先輩靴職人たちに見せるため2017年ごろに制作した思い出の一足(シングルモンク) を素材の中心に据えました。これは単なるサンプル品ではなく、小林氏にとっての職人としての現在に繋がる、思い入れの深い実在の靴です。

この一足を3DGSで高精細に3Dスキャンし、デジタルデータとして保存。ビスポークシューズの造形そのものを、編集可能な3Dアセットとして取り込みました。

一方、卒業制作のコンセプトにあった「未来の靴」は、あえて固定された形を持たせず、赤・青・白の軌跡として形を留めない光の流れとして表現しました。これは、「2045年の靴は固体としての輪郭を持たないかもしれない」という小林氏の当時のビジョンに対する、現時点での一つの解釈です。
■ 映像の構成——過去・現在・未来の重なり
本コンセプチュアル映像では、次の3つのレイヤーを重ね合わせることで、時間軸そのものをテーマ化しています。
過去——駆け出しの頃の一足(2017年制作のシングルモンク)
映像の中核となるのは、小林氏が靴職人として駆け出しだった2017年ごろ、先輩靴職人たちに自らの腕を見せるために制作した思い出の一足(シングルモンク) です。単なるサンプル品ではなく、駆け出し当時の小林氏の技術・美学・覚悟が詰まった、ブランド「When」の原点とも言える実在の靴です。この一足を映像の起点として中心に据え、そこから現在と未来へと時間軸を広げていきます。
現在——最新テックによる表現と、職人として活動する小林氏
駆け出し当時の靴を、2026年の現在にしかできない形で扱うこと自体が”現在”のレイヤーです。具体的には高精細な3Dスキャンで当時の一足を取り込み、実物の質感までをデジタルデータとして保存し、スキャンされた靴は、カメラアングルを自由に取り直せる編集可能な3Dアセットとして映像内に配置されています。駆け出しの一足と、10年分の経験を重ねて現役で靴を仕立て続ける職人・小林氏の現在地を、最新の3D表現で媒介しているのがこのレイヤーです。
未来——形を留めない”2045年の靴”
10年以上前、学生時代の小林氏は卒業制作で「人類が電脳化された2045年、人はどんな靴を履くのか」というコンセプトを発表していました。本映像ではこの未来像を、あえて固定された形を持たせず、赤・青・白の光の軌跡として収録。物体としての輪郭を持たない”未来の靴”を、現時点のビジュアル表現で一度定着させた形です。
これら3つのレイヤーを短い秒数のなかに重ね合わせることで、「過去・現在・未来、いつどんな時代になっても、靴を作り続けられる職人でいたい」という小林氏の想いを映像として結晶化させることを目指しました。技術的なデモンストレーションではなく、一人の職人が持つ時間軸の芯を短いカットに凝縮した作品です。
■ 「When(ウェン)」について
「When(ウェン)」は、東京・秋葉原を拠点に、Shoedesign & Shoemakingを手がけるビスポークシューズブランドです。1994年長野県生まれの靴職人・小林氏が、2015年にブランド「When」を立ち上げました。2025年にはブランド10周年を迎えています。ブランド名「When」は、靴職人の道を勧めてくれた人物から教えてもらったヴィンセント・ギャロのアルバムに由来し、その人物への敬意と、「自分がどこから始まったのか」を忘れないための名前として冠されています。
自身のブランドと並行して、2017年からは石川県金沢の老舗靴店「KOKON」でも靴作りに携わり、オリジナルラスト「KOK-1」を手掛けるとともに、このラストを使用した靴の製作を一貫して担当しています。受注から仕立てまで一貫して手作業で行う一点物を軸に、履き手の身体と感性に寄り添った靴づくりを続けるブランドです。
オフィシャルサイト:https://www.s-when.com/
Instagram:@s_when