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Web3技術で実現する「個人情報に触れない」次世代CRM(顧客管理)
はじめに:マーケティングの新時代を切り拓く
「個人情報を一切扱わずに、精緻なターゲティングマーケティングを実現する」──従来のマーケティング常識では矛盾するこの命題を、当社では現実のものとしています。
当社が運営する3Dアセットマーケットプレイス3Dasset.ioにおいて、パートナー企業THXLABが提供するWeb3aaS「THXNET.」の技術を活用した、ブロックチェーンCRMシステムの実証実験が成功したことを発表いたします。Web3技術を駆使して個人情報管理の課題を根本から解決し、マーケティングの未来を再定義する取り組みです。
Web2マーケティングの限界と当社の挑戦
個人情報管理という構造的課題
従来のWeb2.0型マーケティングは、膨大な個人情報の収集・蓄積を前提としていました。氏名、住所、購買履歴──これらのデータを企業サーバーに集約し分析することで、ターゲティング広告を実現してきたのです。
しかし、この手法には深刻な問題があります:
- セキュリティリスク: 集中管理された個人情報はサイバー攻撃の標的となり、一度の漏洩で数百万件のデータが流出する事態も発生しています
- コンプライアンスコスト: GDPR等のプライバシー規制強化により、個人情報管理には莫大なコストが発生
- スケーラビリティの壁: 顧客規模の拡大に比例して、運用工数とコストが指数関数的に増大
特にグローバル展開を目指す企業にとって、国・地域ごとに異なる法規制への対応は大きな負担となっています。
THXNET.×3Dasset.io:独自技術による革新的ソリューション

THXNETの革新的アーキテクチャ
当社がパートナーシップを締結したTHXLABのTHXNET.は、独自のLayer 0ブロックチェーン(Rootchain)を基盤として、企業ごとに専用Layer 1チェーンを提供するハイブリッド構造を持つWeb3aaSプラットフォームです。
専用L1チェーンの主な特徴:
- セキュアな独立ネットワーク環境
- 企業成長に合わせた柔軟なスケーラビリティ
- ガス代ゼロによる大量トランザクション処理
- 最短1日での環境構築
重要なのは、ブロックチェーンの複雑さを抽象化し、従来のWeb開発者でも容易に扱えるAPI設計を実現している点です。これにより、ブロックチェーン専門エンジニア不在でもWeb3機能を既存システムに組み込めます。
3Dasset.ioにおける実証実験:4つのステップ

Step 1: 匿名マーケティング情報の取得
ユーザーはアンケートやキャンペーンを通じて、年齢層、性別、興味関心などの属性情報を任意で提供します。重要なのは、氏名・住所・電話番号といった個人特定情報は一切記録しないことです。
Step 2: ブロックチェーンへの記録
属性情報は匿名加工された状態でブロックチェーン上に記録され、ユーザーのウォレットアドレスに紐づけられます。ウォレットアドレスは英数字の羅列であり、それ自体では個人特定できません。
Step 3: スマートコントラクトによる自動フィルタリング
マーケティング担当者が例えば「30代女性で和菓子が好きなユーザーに新商品サンプルをプレゼントしたい」という施策を実行する場合、スマートコントラクトに条件を設定するだけです。
スマートコントラクトは自動的にブロックチェーン上の記録をスキャンし、条件に合致するウォレットアドレスを抽出。対象ウォレットに限定情報や特典、NFTやポイントなどの自動送付が可能です。
Step 4: ユーザーによる特典受取
ユーザーは自身のウォレットに届いた特典を確認し、メリットを享受します。
新しいマーケティング手法である3つの理由
1. マーケティング担当者は個人情報に一切触れない
従来のWeb2型CRMとの決定的な違いは以下の通りです:
| 項目 | Web2(従来型) | Web3(当社ソリューション) |
|---|---|---|
| 個人情報アクセス | 必要 | 不要 |
| データ抽出作業 | 手動/半自動 | 完全自動 |
| 配信実行 | システム操作必要 | 条件設定のみ |
| 漏洩リスク | 高(集中管理) | 極めて低(分散管理) |
| コンプライアンス | 複雑 | シンプル |
2. スケーラビリティの劇的改善
Web2では顧客数が10倍になれば運用工数も実際のところ約10倍に膨らむようなケースも多々ありました。しかし当社が提供するブロックチェーンCRMでは、スマートコントラクトが自動処理するため、顧客が100万人でも1億人でも、マーケティング担当者の作業量は本質的に変わりません。
ウォレットという世界共通のインターフェースを通じて、国境を超えたシームレスなマーケティング施策が可能となるのです。
3. コスト構造の根本的転換
従来のCRMシステムで継続的に発生していた以下のコストが大幅削減または不要となります:
- 個人情報管理のためのセキュリティインフラ
- プライバシー規制対応の法務コスト
- データベース管理・運用の人件費
- 外部ベンダーへの委託費用
THXNETの月額固定費用モデルにより、コストの予測可能性も大幅に向上しています。
3Dasset.ioでの実践的活用シナリオ
当社のマーケットプレイスでは、以下のようなマーケティング施策がスマートコントラクトで自動実行可能です:
シナリオ1: クリエイター向け限定情報配信 「3Dモデリングに興味があり、植物カテゴリのアセットを購入履歴がある」ユーザーに、新作植物アセットの先行販売や限定情報を自動配布
シナリオ2: ロイヤルカスタマーへの特典付与 累計購入金額が一定額を超えたウォレットに、VIPステータスを示すSBT(Soul Bound Token:譲渡不可のNFT)を自動発行し、限定コンテンツへのアクセス権を付与
シナリオ3: 地域イベント連携 「文化財アーカイブに興味がある」属性を持つウォレットに、特定地域で開催される3Dスキャン体験イベントの招待を配布
定量的効果(従来型CRMとの比較)
- 運用コスト: 60〜80%削減
- 施策実行速度: 5〜10倍に向上
- スケール時の追加コスト: ほぼゼロ
今後の展望:Web3マーケティングの標準化へ
当社の取り組みは、単なる一企業のソリューションに留まりません。これは、インターネットにおける個人情報取り扱いの根本的再定義を目指す試みです。
「企業が個人情報を預かり管理する」という20年来の常識から、「個人が自らのデータを主権的に管理し、必要な属性のみを企業と共有する」というパラダイムへの移行──これこそがWeb3が約束する未来であり、IZUTSUYA Inc.はその最前線に立っています。
おわりに
個人情報保護とマーケティング効率は、長らくトレードオフの関係にあると考えられてきました。しかし、当社がTHXNET.とともに実装したブロックチェーンCRMは、この二項対立を解消し、両者を高次元で両立させることを実証しています。
IZUTSUYA Inc.は、独自の技術力とパートナーシップにより、唯一無二のマーケティングソリューションを展開してまいります。Web3時代の新しいマーケティングの在り方を、私たちと共に創造していきませんか。
関連リンク
- 3Dasset.io – 3Dアセットマーケットプレイス
- SSI Archive – 自己主権型アイデンティティソリューション
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