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3Dasset.ioがRAD形式(Spark 2.0)に対応——10GBの大規模3DGSデータもスマホブラウザでサクサク閲覧可能に
1億スプラット超の大規模3D Gaussian Splattingシーンを、アプリ不要・ブラウザだけでストリーミング表示
当社が運営する3Dデータプラットフォーム「3Dasset.io」は、3D Gaussian Splatting(3DGS)の新しいファイルフォーマット「RAD(RADiance field)」形式への対応を完了しました。
RAD形式は、AI企業World Labsがオープンソースで公開した3DGSレンダリングエンジン「Spark 2.0」の中核技術として開発されたストリーミング配信フォーマットです。3Dasset.ioでは、RADファイルのアップロード・ストリーミング表示・外部サイトへの埋め込み配信・マーケットプレイスでの売買に対応しました。
従来の課題:大規模3DGSデータは「重すぎて開けない」
3D Gaussian Splattingの表現力はスプラットの数に比例します。スプラットが多いほど、ディテールが増し、写真のようなリアリティが得られる。しかし、これまで数千万〜1億スプラット規模の大規模シーンをWebブラウザで閲覧するのは、現実的ではありませんでした。
PLY形式の場合、数千万スプラットのシーンはファイルサイズが数GB〜10GB以上になることも珍しくありません。SPZ形式で圧縮しても、ファイル全体のダウンロードが完了するまで何も表示されないという制約があり、大規模シーンでは読み込み待ちの時間だけで数分かかることもありました。特にスマートフォンのブラウザでは、メモリ不足でそもそも表示できないケースも多く、大規模な3DGSデータは事実上「PCの専用ソフトでしか見られないもの」でした。
RAD形式で解決:10GBのデータがスマホでサクサク動く
RAD形式は、この「大きすぎて開けない」問題を根本から解決するストリーミングフォーマットです。
実際に、10GBのPLYファイル(数千万スプラット)をRAD形式に変換したところ、スマートフォンのブラウザからでもサクサク快適に閲覧できました。ファイル全体のダウンロードを待つ必要はなく、アクセスした瞬間にまず粗い全体像が表示され、見ている方向にズームインしていくと自動的に細部のデータが読み込まれていきます。
この体験を可能にしているのが、RAD形式の3つの技術的な特徴です。
Level of Detail(LoD)——見ているところだけ高精細に
RADファイルには、スプラットが階層的なツリー構造で格納されています。カメラから遠い領域は粗いスプラットで表示し、カメラに近い領域だけ細かいスプラットを表示する。実際にGPUに送られるスプラット数は、デバイスの性能に応じて50万〜250万程度に自動調整されるため、1億スプラットのシーンでもスマートフォンのメモリに収まります。
HTTP Range Request——必要なチャンクだけ取得
RADファイルは64,000スプラット単位のチャンクに分割されており、見ている方向のチャンクだけをHTTP Range Requestで取得します。CDNやS3にファイルを置くだけで、特別なサーバー処理なしにストリーミング配信が可能です。ファイル全体をダウンロードする必要がないため、10GBのデータでもアクセスした瞬間から閲覧が始まります。
列指向Gzip圧縮——高い圧縮効率
スプラットの各プロパティ(位置、回転、スケール、色など)が列ごとに分離して格納・圧縮されるため、高い圧縮率を維持しながらチャンク単位の部分読み込みが可能です。
3Dasset.ioでのRAD対応内容
今回の対応により、3Dasset.io上で以下が可能になりました。
アップロード・表示 :RADファイルをプラットフォームにアップロードし、ブラウザ上でLoD付きストリーミング表示ができます。インストール不要で、PCでもスマートフォンでもそのまま閲覧できます。
外部サイトへの埋め込み:3Dasset.ioの埋め込み機能を使えば、自社サイトやブログ、ECサイトなどにRADの3DGSデータを埋め込めます。大規模な建物スキャンや観光地のデジタルツインを、自社のWebページ上でそのままインタラクティブに表示できるようになります。
マーケットプレイスでの売買:RADファイルをマーケットプレイスに出品し、ライセンス付きで販売・購入が可能です。
対応フォーマット一覧
3Dasset.ioは、RADの追加により3DGS主要7形式すべてに対応する統合プラットフォームとなりました。
- PLY(非圧縮) — アーカイブ・編集の標準形式
- 圧縮PLY — PLYのGzip圧縮版
- SPLAT — シンプルで軽量な配信用形式
- KSPLAT — Three.js環境に最適化されたプログレッシブ表示対応形式
- SPZ — Niantic開発、PLY比最大90%圧縮。Khronos glTF標準化トラック
- SOG — 高効率な新しい圧縮アプローチ
- RAD — [NEW] Spark 2.0のLoD付きストリーミング配信形式。1億スプラット超に対応
従来の3D形式(GLB、FBX、OBJ)にも引き続き対応しています。
RADファイルの作り方
手元にあるPLY形式をはじめとした各種3DGSファイルを3Dasset.ioでデータアップロードする際に「LoD/RAD に対応する」のチェックマークを入れるのみで自動変換、アップロードが完了します。

想定される活用シーン
RAD形式の対応により、3Dasset.ioでは以下のような大規模3DGSデータの配信が可能になります。
建築・不動産——建物の全館スキャンデータを、内覧用にWebサイトへ埋め込み。来訪者はスマートフォンからそのままウォークスルー体験ができます。
観光・文化財——神社仏閣、城郭、伝統的建造物のデジタルツインを.RADで配信。海外からの観光客がスマートフォンで事前に空間を体験できます。
都市計画・インフラ——商店街や街区の丸ごとスキャンを、LoD付きストリーミングでWebブラウザから閲覧。
RAD形式とSpark 2.0について
RAD(RADiance field)は、AI企業World Labsが開発したストリーミング対応の3DGSファイルフォーマットです。World Labsはスタンフォード大学教授フェイフェイ・リー(Fei-Fei Li)が共同創業した企業で、3D世界を理解・生成するAI「Large World Models」を開発しています。
Spark 2.0はWorld Labsが自社の世界モデル研究のために開発した3DGSレンダリングエンジンで、2026年4月にMITライセンスでオープンソース公開されました。Three.jsベースでWebGL2上で動作し、デスクトップ・iOS・Android・VRのブラウザに対応しています。
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3Dasset.ioは、3DGSの主要フォーマットをすべてカバーする統合プラットフォームとして、3Dデータの閲覧・保存・埋め込み・売買を支援してまいります。
▶ 3D Gaussian Splats Universal Viewer(無料・インストール不要) https://3dasset.io/gs-viewer
▶ 3Dasset.io トップページ https://3dasset.io/
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